多文化共生社会への道のりは険しい
<回転寿司店でレーン上の寿司を舐めたベトナム人女性>
日本に滞在中のベトナム人技能実習生の悪ふざけが報道されています。
彼女は23才だそうです。
年齢的には成人であり、分別をつけなくてはならぬ大人です。
送り出し機関の教育施設には複数校を何度か訪れたことがあります。
「会話の試験があるから試験官を務めてほしい」と頼まれて、手伝ったこともあります。
他に用事がないときは、生徒の休憩時間をボーっと眺めていたりもしました。
技能実習生の年齢制限は18才以上なのですが、(建前的には)職歴が必要なので最年少で19才です。
※稀少なケースで17~18才もいます。
最年少グループを除くと、大半は20代以上なので成人です。
中には30代もいます。
平均年齢は20代半ばになるかと思います。
彼らの休憩中の様子を眺めていると、男の子(男性?)が女の子(女性?)にちょっかいを出して、女の子(女性?)が「もー!」といった感じでこぶしを振りかざして、男の子(男性?)は笑って逃げ、女の子(女性?)がこぶしを振り上げたまま追いかけて2人で走っているという様子をしばしばみかけます。
小・中学生か!
と、当初は思いましたが、それがベトナムではしきりに行われるのでだんだんと境目の基準が解らなくなってきました。(日本の高校生・大学生が大人染みているのかもしれません。)
<属地主義に則り>
ベトナム人だろうが、欧米諸国の外国人でも、日本の法律は属地主義なので、成人は成人としての振る舞いを求められて、違法行為を行なえば罰せられます。
ベトナムでは"悪ふざけ"で済まされるようなことも、日本では大バッシングです。
損害賠償請求をされるかもしれません。
彼女がどうなるのか知る由もありませんが、以前"スターバックス×Grabドライバー"で大バッシングを受けた日本人は結果的に(≒自主的に)国外追放になったと聞きました。
これまで「回転ずし店のレーンに乗った寿司を舐めてはいけません」と教育できる送り出し機関はなかったはずです。
なので、彼女からしてみれば「そのようなことをしてはいけないと教わっていない」とも反論できます。
思想・文化・育った環境などがぜんぜん違うのですから、悪ふざけの程度も違いますし、許容度も違います。
多文化共生社会の道のりは険しいです。